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管理人のまさきと申します。スケール、キャラクター問わず作るなんでも屋モデラーです

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塗料の種類1


プラモデルの制作では組み立てるための工具の他に接着剤が必要です。そしてキットを組み立てると共に「塗装する」という楽しみがありそのための塗料も必要となってきます。プラモデル専用接着剤、塗料も一種類だけではなく模型屋さんに行くと実に色々な種類の商品が並んでおりそれぞれの特徴があります。まず「今から塗料を買いに行くのだけどどんな種類の塗料が売っているのか手っ取り早く知りたい」という方向けにこのページでは各塗料のおおまかな特徴を解説しました。その後個別の塗料と接着剤について詳しく説明したいと思います。なお詳細な色の種類や実売価格についてはAmazonで〜探すのリンクにてご確認ください。販売価格についてはお店によって差がありますが塗料や専用溶剤など現在のおおよその実売価格がわかると思います。

●ラッカー系塗料 (溶剤系アクリル塗料) GSIクレオス「Mr.カラー」など

GSIクレオス「Mr.カラー」 

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プラモデル用塗料として日本国内のモデラーの間で最も一般的で多くの人に愛用されている塗料がGSIクレオスの製品の「Mr.カラー」です。タミヤ製品以外の国内メーカーでは説明書の色指定ではこの「Mr.カラー」の色番が指定されています。正式には「溶剤系アクリル塗料」とか「油性アクリル塗料」と言うのが正しいらしいですがプラモデルを作っている方の間では一般にラッカー系とかラッカー塗料とか呼ばれておりこのホームページでも以後ラッカー系塗料と表記します。販売店などで問い合わせる時も「アクリル」と言う言葉が入ると水性アクリル塗料と間違いやすいので「ラッカー系の塗料の薄め液はこれで良いですか?」など「ラッカー」という言葉を使った方が良いかと思います。またホームセンターなどのペンキ売り場で売られているラッカー塗料とは全く別モノですのでこれをプラモデル塗装に使用しないようにご注意ください
このラッカー系の塗料特徴ですが普通の塗装色の他に蛍光塗料、メタリックカラーなど色数、種類も充実しています。湿気の多い日本の気候に合った塗料で筆塗りエアーブラシ塗装にも適し乾燥が早く、乾燥後の塗膜も強いという一見良い事尽くめの塗料のようですが、欠点として独特のシンナー臭が強く有機溶剤が含まれているので健康、安全面から換気と火気には十分注意する必要があります。また家族と同居の方は臭いが原因でもめ事になったりしないよう気を使う必要がありそうです。そして以上の事から幼児、小学生が保護者の指導なく一人で使わせる事はお勧めできません。プラモデル塗料として優れた特性を持ち長い間多くの人に使われているラッカー系塗料ですが、若干取り扱いに注意が必要な塗料です。なお塗装には専用の溶剤が必要です。

●水溶系アクリル塗料 GSIクレオス水性ホビーカラー タミヤカラーアクリルなど

GSIクレオス「水性ホビーカラー」右
タミヤ「タミヤカラーアクリル」

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ラーアクリル 右GSIクレオス水性ホビーカラー

水溶性の溶剤を使用した塗料で揮発性の成分の含有量も少ないため臭気が少なく、先のラッカー系塗料と比較して火気、健康面でも安全性が高い塗料です。家庭の事情によりラッカー系塗料が使いにくいという方にはこちらをお勧めします。また国内メーカーのキットの色指定もラッカー系の「Mr.カラー」と並び水性ホビーカラーの色番も記載されており、タミヤ製品の説明書では自社のタミヤカラーアクリルの色番が指定してあるなど使い易さという点ではこの水溶系アクリル塗料が一番です。若干塗膜が弱い、特にツヤがある塗料の乾燥に時間がかかるなどという欠点がありますが、プラモデル専用塗料の中では比較的歴史は浅いものの、その使い易さからラッカー系と並ぶ一般的な模型用塗料と認識されるようになり取り扱われている店も多く年少者にも比較的安心して勧められる塗料です。水で希釈、筆洗いできますが専用の溶剤もあります。

●エナメル系塗料 タミヤカラーエナメル など

タミヤ「タミヤカラーエナメル」  

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エナメル系塗料は乾燥が遅いので塗料の伸びも良く筆ムラになりにくいという利点がありますがそれが逆に乾燥が遅いという欠点ともなります。塗膜は弱くエアーブラシ塗装の薄い塗膜では傷つき易いのであまりエアーブラシ塗装では使用されません。しかし海外ではこのエナメル系塗料をメインでほとんど塗装をこなす方も多いようですが国内のモデラーでは自分の知るかぎりではエナメル系塗料だけですべての塗装をこなすという方は聞いたことがありません。日本では国内の気候に合ったラッカー系塗料が使えるので(海外ではラッカー系塗料が販売できないところもあり、入手が難しいので必然的にエナメル系塗料が使われる)わざわざ乾燥が遅いエナメル系で塗らなくてもという事もありますが、では国内ではエナメル系塗料は一部のファンしか使わないマイナーな塗料か?というと全くそんな事はなく後で説明するエナメル系塗料の性質を生かして細部の部分塗装やスミ入れ、ウェザリング(汚し、退色表現)細部の筆塗りでは欠かせない塗料となっています。塗装には専用の溶剤が必要です。

●サーフェーサー(塗料前の下地作りに使います)

GSIクレオス「Mr.サーフェーサー」 

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塗料ではありませんが塗装前の下地作り材として欠かせないものに「サーフェーサー」というものがあります。これはペーパーをかけた後のプラ表面のザラザラした傷を埋めたり塗料の食い付きを良くしたりするといった用途に使用します。ただこのサーフェーサーは塗装前に必ず必要とされているわけではありません。カーモデルを制作する方は美しい塗装面を作るための必需品ですが、他のジャンルのキット制作ではモデラー個人の好みであったり制作スタイルによって使う、使わないはその人しだいです。サーフェーサーも一種類だけでなく用途によって色々な種類がありますのでのちほど詳しく解説したいと思います。

●塗料の購入時に注意する事

最近GSIクレオスの「Mr.カラー」はフタの形状が変更され同社のクレオス水性ホビーカラーと同様の物になりました。模型店では同じメーカーの塗料棚が隣同士に置かれている事が多くGSIクレオスの塗料については上から見ただけではラッカー系と水溶性カラーの区別がつきにくいです。間違えて買わないように必ず正面のラベルを見て種類を確認してください。タミヤカラーアクリルもフタ上面にタミヤマークが入って大きさも若干大きいものの、形状はクレオスの商品とよく似ています。塗料はレジに持って行く前に目的のメーカと種類なのかしっかり確認してください。

もう一つGSIクレオスの「Mr.カラー」では個人店などでフタの形状の古い旧商品がまだ残っている所があります。自分がいつも買い物に行く模型店の店主のお話では旧商品のフタは中の溶剤が揮発揮発し易い欠陥があったということで、事実古い製品になると中の溶剤が揮発してしまい顔料が固まりかけているような状態の商品もありました。これは専用の薄め液を足しても元の品質には戻りません。(Mr.カラー専用 真・溶媒液という固まった塗料を元の状態に戻す専用の商品も販売されていますが)古そうな塗料を購入する際にはお店の方に頼んでフタを開けてもらって中の状態を確認してもらった方が良いかと思います。またラッカー系以外の塗料に関しても棚の奥でほこりにまみれているような古い商品は品質が低下している可能性がありますので注意してください。

●異なる種類の塗料の塗り重ねについて

「こんな塗り重ねの説明なんかどうして必要なの?同じ種類の塗料を使えば良いでしょ?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、プラモデルの塗装では塗料の特性を利用して塗料の使い分けるをする塗り方というのがあります。例えば現在のプラモデルの塗装では「スミ入れ」「ウェザリング」という模型に立体感を出したり使い込まれた汚れを表現する塗装方法がよく行われていますが、この場合基本塗装にはラッカー系、水溶性アクリルを基本塗装をした後にエナメル系塗料でスミ入れ、ウェザリングという塗装を重ねます。この場合に色が目的の場所からはみ出したとか、濃く塗りすぎたなどよくある事ですがエナメル系の溶剤で抜き取ってやったり、薄く伸ばして色を弱めるなどしてやれば下地の基本塗装まで影響は及ぼさず重ねた色をコントロールすることができます。塗料の特性を知って使い分けする事により失敗のリスクを小さくして多彩な塗装表現を試してみる事ができるわけです。これも簡単に説明しただけではなかなか実感できない事だと思いますが、塗装を数こなすと身に付いてくる知識かと思います。
下に簡単な重ね塗り対応表を掲載しました。とにかくラッカー系塗料は溶剤成分が強く乾燥してもどんな種類の塗料も溶かしてしまうと理解してください。プラモ講座のブログでも同じような表を掲載していますが、エナメル系の重ね塗りを慎重に○から△にした箇所があります。微妙なところですがエナメル系溶剤の場合は注意が必要といった所でしょうか。ただこの表は一般的な教科書的な事柄で例えば筆塗りで何度かコネコネ筆を返したり、溶剤をしみ込ませた布でこすったりしているとこの表のとおりに下地塗料を溶かしてしまいますが、エアーブラシで薄く吹き重ねる程度でしたら不可となっている水溶性アクリルの上にラッカー系で塗り重ねるという裏ワザも可能です。この場合はもちろん色が強すぎたからといって溶剤で拭き取ったら下地の水溶性アクリルの塗装まで取れてしまいますが。プラモデル初心者の方にはまずは裏ワザより教科書的な基本的特性としてこの表を頭の中に入れていただき失敗なく塗料の使い分けをしていただきたいと思います。